PCリサイクル業者を利用する手順
① データのバックアップ
② 要望事項を確認
③ 引き取りの申し込み
④ PCを引き渡す
⑤ 検収結果報告を受け取る
⑥ 証明書類を受け取る
順にくわしく説明します。
①データのバックアップ
前述のように、ハードディスクはPCの中に残しておいた方がよく、そしてデータは何らかのしかたで消去されますので、基本的にデータのバックアップは必要です。メディアはCD-ROMかHDDをおすすめします。
・CD-ROM……書き込みに時間がかかりますが、データが壊れにくく長期保存できます。
・HDD……新しく買った外付けHDDがおすすめです。ディスクの保磁力は5年ほどで弱くなります。そのくらいが「寿命」なのです。また、外付けHDDならそのまま新しいPCにつないで使えるので便利です。
USBメモリーはおすすめできません。USBメモリーに使われている「NAND型フラッシュメモリー」は、ふつうのダイナミックメモリーとちがって通電していなくてもデータが消えないすぐれた性質がありますが、書き込み・消去をおこなう度に少しずつ劣化する宿命をもっているのです。そのため、使用状況によっては寿命が早く来てしまいます。具体的には、WordやExcelのファイルをUSBメモリーに置いたまま、開いて編集、保存といった操作を繰り返すと、USBメモリーの寿命は短くなります。また寿命に関係なく、まれに「論理エラー」を起こしてデータにアクセスできなくなることがあります。初期化すれば機能を回復できますが、データも消えます。つまり論理エラーを起こしたUSBメモリーからデータを救出することは不可能です。
USBメモリーは、大切な企業情報や顧客情報を保存するには不向きなメディアです。また、外に持ち出してなくしてしまい、情報漏洩……などというリスクも考えられます。USBメモリーをバックアップに使うのはおすすめできません。
②要望事項を確認
データ消去の方式、各種証明書の要・不要などを確認します。業者に連絡をとったあとで、相談しながら決めていくこともできますが、あらかじめ方針を決めておいた方が早いし、まちがいがありません。データ消去方式は、「出張してもらって法人の舎屋内で消去作業をしてもらう」、「ソフトウェア的処理で消去する」、「磁気破壊でおこなう」、「物理破壊でおこなう」など、いくつかの選択肢があります。法人自身にノウハウがあれば、「自社でおこなうから必要ない」ということもできます。
証明書には、ISMS(Information Security Management System・ISO27001)やPマーク(Privacy Mark・JIS Q15001)の認証確認に必要な「データ消去作業完了報告書」や、税務申告に必要な「固定資産除却証明書」など、要望に応じて発行される各種証明書があります。
③引き取りの申し込み
業者に連絡をとり、PCの処分を依頼します。細かい点の相談もします。②の要望ポイントや、PCの引き渡し方法(送るか、持ち込むか、回収に来てもらうか、など)について、行き違いのないようにしっかり相談しましょう。④PCを引き渡す
③で取り決めた方法でPCを引き渡します。この時点では、業者はまだ何も作業をしておらず、マシンの状態も評価できていないので、引き換えにお金がもらえるわけではありません。PCを引き渡したあと、業者は作業に着手します。数日から2週間ほど、時間がかかるでしょう。
⑤検収結果報告を受け取る
PCを受け取り、データ消去などすべての作業を終えると、業者はPCや周辺機器などのすべてについてリスト化し、ひとつひとつのマシンのスペックや状態を記載した明細書、「検収結果報告」を提出します。この段階で買い取り金額も定まります。⑥証明書類を受け取る
「データ消去作業完了報告書」や「固定資産除却証明書」など、要望により発行された各種証明書を受け取ります。業者により多少流れが変わることもありますが、おおむね以上のようなステップでPCリサイクル業者は利用できます。
なお、キャンセルについては、PCの引き渡し直後で、まだ一切の作業をおこなっていない段階であればできる場合もありますが、業者が少しでも作業に着手した段階では、原則としてできませんのでご注意ください。